就職ナビ2011からのアドバイスとは

少なくとも上場企業に限っていえば、最高益もしくはそれに近い水準の利益をマークするところが続出し、「増産」とか「大量の人材採用」といった話もよく耳にするようになりました。 業種セクターによっては、すでに厳しい先行き予測が出てきている分野もありますが、景気のいい話題というのが、きわめて限られた業種やエリアの話であった数年前に比べれば、はるかに裾野の広がりを感じとれる状況にあります。

十年以上にもわたる景気低迷は、社会をどのように変えたのでしょうか。 世の中で、「変化」といわれるもののなかには、可逆的なものと不可逆的なものがあります。
企業の設備投資などは、景気が悪いと減少し、よくなるとまた増えます。 いわば景気変動に合わせて循環的に変化するものと考えられるでしょう。
ではこの十余年に起こった不可逆的な変化とはどんなものか。 その最たるものが、私たちの「就業観」ではないかと思います。

今後の日本経済がどのようになるのかという予測は、エコノミストに任せるとして、どのような道を辿るにしても、長い景気低迷期に日本企業全体がはじめて経験した「雇用および人材の流動化」という現象は、今後ますます加速するだろうと多くの人々が推測しています。 私たち働く者すべてが、自分にとっての仕事やアイデンティティということを考えるうえで、いい実例があるので、まずはそれを紹介させていただきたいと思います。
実はこのメガネチェーン、もともとは、他の大手メガネチェーンをリストラ退職された方が、互いに協力し合って設立された企業なのです。 私たちはTのY社長、H専務とお話しさせていただく機会を得ました。

以下にその内容をご紹介します。 「貴社の設立は、某大手メガネチェーンのリストラがきっかけとなったそうですね。
グループ全体で、そのチェーンの出身者が九0人、全社員の約二割もいらっしゃるとか。」 結局ね、お家騒動に巻きこまれて放り出されたんですよ。
われわれは、実質創業オーナーであるオヤジの薫陶を受けて、若いころから、その哲学に惚れこんで頑張ってやってきたのですが、二代目に代わってそれが根底から覆ってしまい、一斉にリストラされました。 そして当社に集ったというわけなんです。

オヤジと僕らが前の会社で実現しようとしていたのは、実質的な暖簾分け制度みたいなものでした。 労使が合意のうえで、社員への還元よりも、会社の内部留保を厚くして、その分を新店舗の開業資金に回すことによって、実質経営者として新たな店長を次々に生み出していくというものです。


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